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 第3回 グリーンチャンピオンシップスレガッタ 

 2002.10.27
 愛知池漕艇場


■試合結果 第3位

  ・予選 2着
  ・準決勝 1着
  ・決勝 3着


■140歳未満男子の部
  (ナックルフォア)

■出場選手
  予選
  C:佐藤 俊明
  S:平井 正人
  3:金子 進
  2:天野 至
  B:望月 聖之

  準決勝
  C:佐藤 俊明
  S:平井 正人
  3:金子 進
  2:天野 至
  B:望月 聖之

  決勝
  C:佐藤 俊明
  S:平井 正人
  3:金子 進
  2:天野 至
  B:望月 聖之


 

 


【佐藤(俊)の大会レポート】


皆さん、こにゃにゃちわ。
コックスのカンちゃんこと佐藤俊明でございます。
まずは試合前日10月26日から振り返っていきましょう・・・・・・。


10月26日。雨。
午後、至と藤枝駅で待ち合わせ。
「おう、ダブり!」
「おう、バカ!」
いつもの合い言葉を交わし、いそいそと車に乗り込む。
向かうは至邸。
もう一人車で一緒に行く金子が来るまでいったん時間を潰そうという算段だ。

「おこんにちわぁ!!」
ちょっとでも心象を良くしようと元気よく挨拶すると、奥さん露骨にイヤな顔。
『来んなよ・・・・・・。』
魂の叫びが聞こえてくるようだ。
「へへへ・・・・・。」おかまいなしにズケズケと上がり込むと次男の雄世。
「ゆぅーせーいチャーン!」
「うギャ−ーーーーーー!!」
相変わらず、なつかない。やな感じ。うんこたれ。

長男の開世は虐待され奥でグッタリしている。天野一家。すさんだ家庭だ。
暫くすると奥さんのお父さん、お母さんが鼻息も荒くやって来た。
「孫の顔見せんかー−ー−ーい!!!」
開世がグッタリしてしまったので、何やら静岡から駆けつけたらしい。
「まぁまぁ可哀想に・・・・・・。」
「おっ、こりゃイカン。」
駆け寄るおじいちゃん、おばあちゃん。急に態度がよそよそしくなる至。

そうこうしているうちに金子が駅にやってくる時間だ。行かなくては。
「それじゃぁヨロシクお願いしまぁす・・・・・・・」
至が白木みのるのように小さくなり、申し訳無さそうに呟く。
後ろを見れば、おじいちゃん玄関で仁王立ち。
「お前は幼い息子の具合が悪いのに、泊まりがけで遊びに行くんかぁぁぁぁあ!!!」
無視して藤枝駅までGO!GO! イェーイ!!

駅に着くと、金子がもうすでに到着していた。
「みゅおー、じゅっちょまっちぇちゃんやからん。ぴゅんぴゅん。」
舌ったらずなので相変わらず何を言ってるか分からない。

さあ!向かうは試合会場の愛知池近くの宿泊施設、五色園。
ところが誰一人詳しく行き方が分からない。
「じゃぁ、なんとなくコッチの方角で。」
アバウトだ。無責任。大人なのに。

高速に乗り、雨の中車は走る。途中ドライブインに寄り、しばしの休憩。
ここでカンと至、今日の夜のつまみを買う。やばい。飲む気マンマンだ。
”明日の試合より今日の飲み会”それがオレらの合い言葉。
高速を降り、もうすでに愛知県に突入。
愛知池の近くまで来ているのだが詳しい道がさっぱり分からない。そりゃそうだ。勘だけが頼りでココまで来ているのだから。

と、ここで金子の携帯に聖之から連絡が入る。
何やらこの辺にいるので、近くまで来てたら拾って欲しいとのこと。
無理だ! そんなの無理だ! だって自分達が今何処にいるのかさえも分からないのにもう一人をどっかまで迎えに行くなんて! 無謀だ! 無茶だ! 聖之が悪い!
そうだ、聖之が悪い! 何て他力本願な! ずうずうしいにも程がある! そうだ、全部聖之のせいだ!
そう盛り上がり、近くのさびれた駅で適当に車を停め3人でモンゴル相撲をとっていると、階段を下りながら何やら見慣れた奴が手を振ってコッチにやって来るではないか・・・・・・・ん・・・鼻がデカい・・・・さ、聖之だ!! 聖之に違い無い!
奇跡だ!

4人になり、五色園を本格的に探さないとヤバい。もう陽はとっぷりと暮れている。
ウロウロした。グルグルした。ギュンギュンした。
4人とも泣きそうになっていた頃、左手に大きな看板・・・・・・・。
”五色園なんとかかんとか”
こ、これだ!! あった! 奇跡だ! 地図なしで本当に来れた! やってみるもんだ! 
抱き合い喜び会う4人。ああ・・・友達っていいなぁ・・・・。
五色園というのはデカい庭園のようなモノで、その中に寺がやっている宿泊施設があるのだった。そこへ行くまで途中に、暗闇に浮かぶ得体の知れない人形が無数にありみんなビビって、おしっこがちょっと出た。

宿泊施設にようやく着き、部屋に通された。
一階の食堂にはオレらの食事だけが”ぽっつ〜ん”と残されている。
どうやら他の宿泊者はすでに食事を終えているらしい。
「それじゃぁ、頂きますか・・・・・・・。」
みんな食べ始めて一様に思っただろう。
『な、何て質素なっ!!!』
御飯にお吸い物、芋とちっちぇー海老の天ぷら、はまちの刺身、あと何かしょぼいの。
これは精進料理か! ええ?! 流石に寺がやってるだけのことはある。
オレは生まれてこのかた、はまちの刺身というのは生臭くて食えなかったのだが全部食った。だって他におかずが無いンだもん! 
恐るべし五色園・・・・・・。

そして4人はその不満をぶつけるかのようにコンビニへ走った!
酒だ! 酒だ! 酒持ってこおぉぉぉぉぉい!!!
ビールと焼酎、つまみをしこたま買い込み施設へ戻って来たのだった。
「へへ・・・誰にも文句は言わせないゼ・・・。」
もはや”禁酒”などという言葉は誰の頭にもない。これぞ巴流!

こうして試合前夜の酒盛りはおっ始まり、いつしか自然と恒例の”ナポレオン”へと宴は移り変わって行く・・・・。
「ひ、ヒエッ!コレが噂のナポレオン!」
オレは初めて。勿論やり方も何も分からない。
一通り教えてもらい、あやふやなままやってみるのだが、とにかく難しい! 頭を使う! オレにはむかん! うぎゃあ! こ、これは面白いのか?!

疑問と不安と酔いで頭が爆発しそうになっていた頃、大阪出張帰りの平井チャンがやって来た。
聞けば最寄りの駅まで電車で来て、そこに一台だけタクシーがいたらしい。
よくいたねぇ、タクシー・・・。誰も迎えに行く気無かったんだよ・・・・・・。
買って来たという、みそかつ弁当を頬張る平井チャンを尻目に続く恐怖のナポレオン。
見れば至もみんなから何か責められている。この人も分かって無いらしい。
バカなんだなぁ・・・。

気付けば時計は午前1時を指そうとしている。
いつまでやってんでぇい!! 寝なくていいのか?! 試合は?! 明日は?!
こうして第一日目の夜は無惨にも過ぎていくのであった・・・・。
それでいいのか?! 巴流!


(酔っ払ってます。飲んだくれです。午前1時過ぎてます。)

---

翌日。10月27日。快晴。

朝6時起床。6時半まだ眠い目をこすりながら朝食の精進料理を食す。
7時過ぎ、試合会場の愛知池に向けいざ出発!
五色園のオッさんの話だと車で10分程だという。なぁ〜んだ、近いジャン!
「五色園、もう二度と来るもんか。」
という思いをそれぞれ胸に車に乗り込む。

快適に車を滑り出させると、すぐに愛知池らしい広大な水面が目前に現れた!
「おお!!」
「綺麗じゃん!」
「凄い、艇いっぱいあるぅ!」みんなすでに興奮ぎみ。
「ブイもいっぱいあるぅ!良かったネ、カンちゃん。これじゃコース侵害したくてもできないよぉ!」
誰かが言った。甘く見てはならない。それでもコース侵害するときゃする。
それが戦慄のコックス、カンちゃんなのだ。


会場が近くなると”第3回グリーンチャンピオンシップスレガッタ”と書かれた旗が何本も歩道に並ぶ。
会場入り口にもデカくそれは同様に書いてあり、大会の規模の大きさを初めて知った思いだ。


(愛知池漕艇場。画面手前は一人乗りのシングルスカル。細い。)

受け付けに行きエントリーを済ますと、オバちゃんが何やらデカい紙袋を2つくれた。
「何それ・・・・?」
「おおっ!参加賞じゃん!」
見れば8つのステンレス製の水筒がオリジナルのケースに入っている。
「金かかってるじゃん!」
「サービスいいじゃん!」
こんな事で早くも大喜びの巴流。根が単純なのである。

そして8時。開会式。 巴流もさぞ常連のようなツラをして一列に並ぶ。




(すごい数の優勝カップ)

席も昔の町内会の運動会の時のようなテントがズラ〜ッと横に並んでいる。
「どこに座ろっか?」
「ココがいい、ココ。」
「ここバッチィ!」
オレ達は一番日当たりも眺めもいい特等席に滑り込んだ!
しかし、よくよく見ればその席には”千葉”と書いてある。
確か巴流は平井チャンの自宅からエントリーした為”神奈川”扱いのはずだ・・・・。
関係ない! 座りたい所に座る! ココがいいったらココがいいの!
そんな傍若無人なヤツらの集まり。それが巴流なのだ!



(選手控え室。兼、応援席。)

大会プログラムをパラパラ見ていると、最初のレースは9時ちょい過ぎだということが分かった。うわっ!もう一時間もないじゃん!
ヤバ、オレ緊張してきた・・・・・・・。
そうなのだ。カンちゃんことオレ佐藤俊明は今日の試合が何と14年振りの試合なのだ!! またおしっこ出そう・・・・。 助けてーーーー!!


第一、第二レースと終了していき、あっというまに出艇の時間と相なった。
それにしても今日は風が強烈に強い。おまけに寒い。
みんなこの時はまだ上着を着ていたが、何故かオレだけ気合いが空回りしている為もう半袖のユニホーム姿。
「さみーーーーーーい!!」


(カンちゃんだけ、ユニフォーム姿。かなり寒いはず。)

---

そして出艇。
バックローで暫く進み、回旋して(ストロークサイドからな為金子ブーブー言う)艇を進める。


(緊張してます。寒いです。)


(コースを横断して、スタート地点へ向かう)

パドルを10本やった後スタート地点に近付いて行くと審判艇から集合の合図が!
「ええっ、もう?!」
「全然練習してねぇじゃん!」
ワケの分からぬままスタート地点に着けると、とにかく風が強い為すぐに艇が斜めになってしまう。オレはこういうのが一番嫌いだ。本当に嫌いだ。

するとバウの聖之が非常にオレを困惑させる事を言ってくれた。
「カンちゃん、船斜めになってるよ!」
この時オレの中では艇は真直ぐだったのだ。
「えっ?! いいんだよ、これで!」
すると2番の至も畳み掛けるように言ってくる。
「斜めだよ、斜め! ヤバいよ!」
なぁにい?! コックスのオレから見たら今はバッチリコースのど真ん中なのだ!
何を言ってるんだ、チミ達はぁ! 冗談もいいかげんに・・・・
「カンちゃん、ブイ分かってる?! ブイ! ブイだよ!!」
今度は3番の金子までもが言い出した! ブイブイ言いやがって、お前は豚か!


(強烈な横風がふくスタート地点)

しかし遭手4人中3人が言い出したとなると、事は穏やかではない。
オレはたまらずコックスシートから身を乗り出し、立ち上がってコースを確認した。
やはり真直ぐなはずだ。しかし、
「斜め!斜め!」
「ヤバい!ヤバい!」
「ブイブイ!」
と一様に責めて来る。
オレはもうワケが分からなくなり、
「ええっ?! 分かんない!! オレもう分かんないよう!!!&%$#”0*+」
まさにパニック状態。32歳にして泣き出す一歩手前だ。
そんな事はおかまいなしに審判艇のコールが!!
「スタート用意! よーい・・・・・・ロー!!」
あああ・・・始まっちゃった。でも艇はオレから見たら真直ぐ・・・・なはずだ。
スタートはいい。飛び出せた感がある。
「よおっし!行こう!!」
ノッてきたところで、しかしレースは中断。どうやら隣の3レーンの艇がコース侵害をしたらしい。
「次も同じ行為をしたら3レーンは失格とします。」
審判艇の宣言が無情にも鳴り響く。ああ・・恐ろしや・・・明日は我が身か?!

再度スタート地点に着け、コールを待つ。
「よし、艇もコース真ん中。いつでもスタート来い!」
「スタート用意! よーい・・・・・・・・」
この時である。悲劇が起きたのは。「よーい」と「ロー」の何秒間かの間にびょぉぉぉっと強風が吹き、巴流の艇が3レーンに向けて強烈に曲がってしまったのだ!!
「ロー!!」
何にも知らないで。審判艇のバカ。オレは斬った。ラダ−を斬った。ここぞというばかりに斬った。
「ずおりゃぁぁぁぁぁぁあああ!!」
スタートダッシュで艇は見事に蛇行し、大変なロスとなってしまったのだ!
「だって・・・だってそうしなけりゃ恐怖のコース侵害になっちゃうもん!」
オレは心の中で精一杯カワイコぶってみせた。でもそれは誰にも伝わっていない。
スタートダッシュ、コンスタント、オレは思いきり舞い上がりピッチを計るのさえ忘れていた。
「落ち着け!落ち着け!」
誰かが言った。そうだ、落ち着かなくては。気付けばもうゴールの近くまで来ていた。


(レース前半)

辺りを見渡せば、1位の浜松ボートクラブに継いでの2位は確定。
どうやらラストスパートを掛けずにすみそうだ。
結局巴流は予選2位。上位2艇上がりだから準決勝進出は決定だ。
「ふう・・・・・・・。」
まずはホッとしたというのが正直な感想。やっぱり緊張してたなぁ。


(レース後半。黄色いユニフォームが、浜松ボートクラブ。巴流2位。)

しかし上陸してからの平井チャンの言葉。
「スタートダッシュからコンスタントに落とさなかったよネェ。」
「ええっ?! そうだっけ・・・・????」覚えて無いオレ。
「いや、ちゃんと落としたよ。」冷静だった金子。
「そっかぁ、オレが落とさなかっただけなのか。舞い上がってたナァ。」と平井チャン。
どうやら緊張してたのはオレだけじゃなかったようだ。
大丈夫かしら・・・・・・・・。



(準決勝進出。ホッとした気分で上陸する。)
---

次の準決勝まで時間が2〜3時間ある。
あまりの寒さの為、ボクらは車の中で暖を取っていた。
車で何をして過ごすかというと・・・・・・・・・・・・ナポレオン。
『またかよ!!』
オレは心の中でそう絶叫していた。そんなに面白いかなぁ・・・コレ。
しかし、オレだけやらないというわけにもいかない。
ボートは団体競技。和を乱す行為は避けなければならないのだ。大人だモン!ぼく。

ナポレオンも終わり、会場に戻ってくると準決勝の組み合わせが発表になっていた。
同じ組の予選のタイムでは巴流が1位だ。準決は上位3艇上がり。イケるっしょ!
すると至がこれまで見た事もないような真剣な顔でこう言ってきた。
「次のレース、3位確定したら絶対蹴らせないでネ・・・・・・。」
そしてトイレへと一人消えて行った。
よっぽど蹴るのがイヤなのだろう。
ここだけの話、”至は時々手抜きをする”というのが巴流のレジェンドになってるのは言うまでもない。


(「千葉県」と書かれた巴流の応援席からレースを眺める)


(眠る金子。寒くないのか?)

---

さあ!準決勝。
順当に行けば1位でゴール出来るはずだ。
オレも一試合経験した為、試合勘みたいなモノが戻って来た。
出艇し、コース脇でちょっと練習する時間的余裕もあった。


(スタート地点へ向かう巴流)

さぁ、スタートに着けゴーを待つ。
「スタート用意! よーい・・・・・・・」
またもやである。またこの瞬間に艇が強風で左へこれでもかというくらい曲がったのである! もうイヤ!!
「ロー!」
「ふんがぁぁぁああああ!!」
いやぁ・・ラダ−斬った、斬った。二回連続で斬らせてもらいましたヨ、ホントに。
艇はまたまたスタートダッシュで蛇行を繰り返したのだが!
スタート飛び出せたのよ、コレが。さすが予選タイム1位なだけある!
確実にコンスタントへきっちり落として余裕のローイング。
強調なんかも勿論入れずにそのままトップでゴール。


(スタート直後)


(レース中盤)


(1着でゴール)

思いの他、余裕だった為みんなゴールした後、顔がにやけている。
上陸してからも
「いやぁ、今の漕ぎは良かったネェ。」
「うん、最高だったネェ。」
「決勝もこうだったらイイのにネェ。」
と好き勝手な事を言っている。
まぁ、何はともあれ巴流見事に決勝進出!
何が何でも3位入賞せにゃこりゃ帰れんばい!


(「やったねっ!決勝進出!!」とか言いながら帰ってくる)


(みんな笑顔です。見よ、この陸に手を振る余裕。)


(グリーンのジャケットを着てるのが、スタッフの中学生(?)。本当によく働く。 挨拶もしっかりしていて気持ちよい。)

---

さあ・・・・・いよいよ決勝。
3位以内に入ると、何とメダルがもらえるという情報をキャッチ!
俄然クルーの雰囲気もヒートアップしてきた。
決勝に出るクルーは全部で6クルー。
巴流は今までのタイムでいくと、どうやら4位らしい。
「1艇抜きゃいいんでしょ。」
聖之が無責任、且つ頼もしい事を言う。
そうだ! 絶対3位以内にはいるゾ!


(桟橋で決勝を待つ巴流)

いざ出艇!・・・・したいのだが手違いか何かでオレ達の乗る艇がなかなか帰ってこない。ようやく戻って来た時には他のクルーは皆出艇していた。
寒い。そして相変わらず風も強い。
パドルを10本やり、スタートの近くに来た時にはもう審判艇からお呼びがかかっていた。
「うげ?! もうかよ!」
バックローでスタートに着けようとしているが、皆まだ上着も脱いでいない。
途中で停め
「みんなー、上着脱げー!!」








(スタート地点へ向かう。画面奥では、他の種目の決勝レースが行われている)

巴流の艇を持つウォーターマンにクルー全員でお願いする。
「スタートの時ちょっと押してネ。」
セコい。いかにもセコい。しかし、それほどまでに勝ちたいのだ。メダルが欲しいのダ!


(スタート地点。ウォーターマンと密談中?)

すぐにスタートはやって来た。緊張する暇もありゃしない。
「スタート用意! よーい・・・・・ロー!!」
初めてだ。今回初めてスタートで艇が曲がらなかった。こりゃさい先いいゾぉ!
スタートブッちぎってやる!!
しかし、その野望は早くも打ち砕かれた。
隣のレーンの「川辺ヤクバーズ」(岐阜県川辺町)が早い!早い! 思いきりブッちぎられた。


(レース前半。画面手前が、川辺ヤクバーズ。すでにブッチギリ。)

しかしスタートダッシュが終わった時点では巴流は2位!
3位は半艇身くらいで1レーンの浜松ボートクラブだ。
ぬぅっ! あそこには負けたくないっ!
スタートダッシュが終わって直ぐに強調だ!
「強調5本行こう!!」
「セイ!!」
「さあ、行こう!!」
いいところでかけたと思ったのだが、ウチがかけてからすぐに浜松ボートクラブも足蹴りを入れたらしい。ここでコンスタントでのピッチは33。ちょっと速めだ。
しかし、みるみる差が縮まってきてしまった。ここで2回目の強調。


(レース中盤。浜松ボートクラブとスパートをかけあう。2位争い。)

もうゴールが近い。早いものだ。ラスト150メートルを切った。さあ、ラストスパートだ。
「2枚上げよう!!」
「セイ!!」
「さあ、行こう!!」
もうオレも声がかすれている。
浜松の中盤以降は強かった。この時でたぶん半艇身はつけられていたと思う。
そしてそのままゴールへ。


(あと数10mでゴール。半艇身くらい遅れをとっている巴流。)

巴流は3位!
浜松に負けたのは悔しかったが見事メダルを手中にしたのだ。
「やったゾ! メダルだぁ!!」
「メダル! メダル!」
上陸してから、皆満足そうな笑顔。
オレも勿論嬉しかったが、正直予選同様ホッとした気分の方が大きかった。
何か大役を果たしたような、そんな気分だったのだ。
最後は表彰式に出席。メダルをホクホク顔でもらい3位のジャンプの写真も撮って来た。

『ああ・・良かった・・・コース侵害しなくて・・・・』
実はコレが一番怖かったんだよねぇ、オレ。デヘヘ。



(表彰式。カンちゃんと平井は、寒さに耐えながらユニフォーム姿。)


(3枚の賞状と、8個のメダルをもらった)


(画面右側が、優勝の川辺ヤクバーズ。体格の差、歴然。デカイ。)


(左から、平井、金子、佐藤(俊)、天野、望月(聖))


(前列左から、金子、佐藤(俊)、天野。後列左から、平井、望月(聖))

---

さあ・・・・・試合も無事終わり、試合会場も寂しく閑散としていく中、愛知池の夕方の冷たい風が僕らを包んでいた。

至と金子はその日に帰る為、車で最寄り駅まで送ってもらった後の別れとなった。
そして残るは聖之・平井・カンの極悪3人衆。
この3人。名古屋でもう一泊し、大反省会と銘打って大いに飲み、食べ、そして快楽に身を委ねようという寸法なのであった。ゲシシ。

まずは名古屋の栄近くまで地下鉄で即移動。最初に今晩の宿を決めておこうということになり、喫茶店に入りインターネットで手頃な宿を素早く検索。そして一気にチェックイン!
ここまでの手はずのなんと迅速で素晴らしいことか!
やはり人間その気になって集中すれば出来ないことはないのである。
ここで試合以上の集中力を見せつけたのは言うまでもあるまい。
部屋で暫くダベった後さぁ夜の名古屋の繁華街、栄へGO!GO!GO!


あらかじめ名古屋出身のカンの友人に聞いておいた手羽先の美味しいという「風来坊」というお店へと突撃!
「ぱーーーーるでーーーーーす!!鶏肉チョーーーーだい!!」
見れば店内はなかなかの混雑。さすが有名店だけのことはある。
「かーんけーナイもんね! ちょい!」
聖之がどさくさに紛れて店のおねえさんのケツを触っている。
む、ムッ!? やるな、聖之。さしずめ”旅の恥はかき捨て”といったところか。
オレ達も負けてはいられん!!
VIPルームへと通された3人はドッかと腰を下ろし、こうのたまった。
「えぇ〜とぉ・・巴流だけどぉ・・この店で一番高いヤツぅ。
ほらほら、ジャンジャン持ってこぉぉぉぉおおい!」

次々と運ばれて来る、しらすおろしやモロきゅう、するめなどを頬張りながら自然と話題は今日のレースの事へと盛り上がり、お互いの健闘を讃え合う。
「だから、ラダ−斬りすぎなんだよ、コックス!!」
「しょうがねぇじゃんよ! 隣のレーン突っ込みそうだったんだからよ!!」
「そこを上手く操縦するのがお前の仕事じゃないのかよ!!」
「うっせえよ!! じゃぁお前やれよ! それからお前らもっと蹴れよ!!!」
延々と続く切磋琢磨な時間。こういう時が友情をより深く、そして確かなものにしていくのだろう。


いい感じで酒も回りホロ酔い気分になった頃、平井が完全にオチている。
意識は無く、首をダラリと垂らし右へ左へゆらゆらさせている状態だ。
試合の疲れか?いや、どうやら常用しているドラッグ(非合法・アッパー系)が切れたらしい。
「しょうがねぇなぁ・・・平井ちゃん・・・よっと。」
聖之がいつも自分が使っているハッシッシを平井に嗅がせている。
「・・・んん・・う〜ん・・・。」
どうやら気がついたようだ。
「ありがとう、聖之。」
「どういたしまして。」
友情ってやっぱり素晴らしい。


「どうしようか・・・・・・」
「風来坊」を出た僕達は次に起こすアクションを決めかね、すっかり栄のポン引きの餌食になりつつあった。
時間は10時頃。まだ宵の口だ。名古屋の夜はこれからである。
これから、どう出るか?! 飲むか、食うか、歌うか、踊るか、触るか、揉むか、触りながら揉むか、はたまた揉みながら触るか、それとも歌いながら揉むか、選択肢は無限である。

渦巻く欲望と回転する欲求の中で、聖之先生がこう言った。
「そうだ、あそこ行こう。」
「えっ?! どこ?どこ?」
着いて行く平井とカンはまるで下僕である。
「ここ。」
「ここ?!」
着いた先の看板にはデカく”MANZOKU”と書いてある。
そうだ、MANZOKU。新宿歌舞伎町にもある風俗専門の無料ガイド店みたいなところだ。
「さぁすが、先生!!」
叫んだ平井とカンは、まるで初めてヒヤシンスの球根から出て来た芽を見つけた小学2年生のような瞳の輝きだ。
ドカドカ入って行く聖之。おそるおそる入って行く2人。
店内には所狭しと、その、ナニのチラシやら看板やらティッシュやらが置かれている。
「h〜ん・・・・・こ、これは何処から見ていいものやらサッパリ分からん!」
こんな時お店の人にでも
「ハ〜イ、お兄さん。この辺で安くて楽しくて可愛い所どっかナ〜い?」
とでも聞けばいいのだろうが、ここのアンチャン。
殆どスキンヘッドと言ってもいいような風貌でガ体は無駄に良く、絶対に服を脱いだら全身にタトゥ−が入っていそうな、とにかくとても話しかけずらい御方だったのである。そしてナニやらずっとパソコンの画面を眺め不気味な笑みさえ浮かべている。
「h、h〜ん・・・・・・・」
平井とカンが今にもウンコ洩れそうでいると、聖之の一言。
「決まったよ。」
「えっ?! どこ?どこ?」
「とりあえず今はこの新聞(中にも〜うそういうお店の情報がギッシリつまってる)もらって、どっかでじっくり考えよう。」
「さぁすが、先生!!」
またもや平井とカンは、まるで坂上がりが出来ずに出来ずに放課後一人でガンばって練習して三ヶ月後ようやく一回だけ出来た小学4年生のような瞳の輝きだ。
「そうしよっ! そうしよっ!」
スキップしていく平井とカン。

そして聖之は一件のショットバーへと入った。すると店員
「すいません・・・・まもなくラストオーダーでして・・すぐに閉店となってしまうんですが・・・・」
「いいの!いいの! いやらしい店探すだけだから。」
素早く席に着いた3人は一冊のエロ新聞を広げ、これまでに誰にも見せたことのない真剣な表情で会議を開きだした。
あそこがいい。ここがいい。あれはイヤだ。ソッチはもう時間的に・・・・・
などと意見が錯綜して一向にまとまる気配がない。
そこでカンが一案を投じた。
「よし!消去法でいこう。」
「うむ!」
他の二人もこれには同調したようだ。
「居酒屋、バー、クラヴ、キャバクラ、風俗、おっぱいパブ、部屋飲み・・・・こんなところか・・・。」
このうち居酒屋、バー、クラヴ、部屋飲みは2秒も経たないウチに抹殺された。
残るはキャバクラ、風俗、おっぱいパブ。
「キャバクラって面白くねぇんだよなぁ。」
誰かが言った。キャバクラ死亡。
さぁ! 決まるは風俗か?! おっぱいパブか?! やはりこうなってしまうのは男の性か?! 誰が悪いのか?! いいや、誰も悪くない! 強いて言うならば世の中だ! そうだ、世の中が悪いンだ!!

ここでレクチャーしておこう。平井ちゃんこと平井正人は過去鶴見川の大会の打ち上げで新宿歌舞伎町のおっぱいパブに入り損ね、悶絶しながら自宅へ帰ったという、悔やんでも悔やみ切れない経緯があるのだ。
「よし! おっぱいパブにしよう!!」
決定。一致団結した3人。もう迷うことはナニもない。あとはナニしてナニするだけだ。

先程の"MANZOKU"に再度立ち寄り、怖いお兄さんに店を紹介してもらう事にも成功!
店の名前は”キング”。わ〜お。1時間9000円なーりー。
さぁ名古屋の見知らぬ土地を渡された地図を片手にエロの権化と化した3人が突き進む!突き進む!
もう、その辺のポン引きも、みそ煮込みも、みそかつも、名古屋城も視界には入らない! 目指すは”キング”ただ一件のみ!!


その店は栄を離れ、錦と呼ばれている界隈にあった。
「こ、ここだ・・・・・・。」
見れば平井は感動と緊張とが入り交じり、ヘンな顔になっている。
「いらっしゃいませ。3名様ですね。」
いかにもな黒服の男が近付いて来て低い声で言う。香水が鼻をつく。
店内に入ると場内は真っ暗。ユーロビートが鳴り響くが客は2組くらいしかいない。
ソファーに案内され、隣の平井を見るとまだヘンな顔になっている。
と、すぐに女の子が3人来た。1人に1人付くシステムである。
女の子達は皆一様に同じ格好をしていて、モノトーンの修道女風というか中途半端なウェイトレス風というか、そんな感じだ。
とにかくBGMの音楽がやたらデカい。耳のそばまでいって話さないと聞こえないくらいだ。

ここから先は2人(聖之・平井)と話をしていないので、オレ中心の話となるけれども、2人に関しては見るがまま、観察した様子だけで書かせてもらうとしよう。
まず、最初にオレに付いた娘。結論から言わせてもらおう。最悪。
ナニが最悪って?! 喋らないのダよ! 全くと言ってイイ程!!
普通さぁ〜
「お客さん、出身は?」とか
「今日何件目とか?」とか
「誰ソレに似てない?」
とかあるじゃん!! ぜんっぜんそういうの無かったからね、ホントに。
お前は”おし”か! って思ったよ。
そしたら、おもむろに音楽が変わるワケ。今までの派手なユーロビートから、ちょっとバラード調なヤツに。そしたら! そしたら! 女の子が我が膝の上に!
そ〜う! いわゆるショータイム、おっぱいタイムの始まりです!!
パチ!パチ!パチ! そんで女の子、上を脱いでトップレスになるわけだけど・・・・
最悪。何が最悪って?! オレに付いてたその女ね、オレにギュ〜っってしがみついて何もさせないの! ほら、男だったらさぁ、おっぱいをああもしたいし、こうもしたい。目の中にも入れちゃったりもするわけじゃない?!
それが全くできないの。んでね、また曲が変わって今度は女の子が後ろ向きで膝の上に座るんだけど・・・・・・・・・最悪。
今度はソイツ、オレの手を自分の胸に力一杯押し当てるもんだから指一本動かせないノ!

そんなこんなでおっぱいタイムは終了。またユーロビートに戻るワケ。
さぁ、その間の平井ちゃんと聖之といったら!
まぁ〜楽しそうだったよ。オレは平井ちゃんと小・中・高と一緒だったけど、あんなに純真無垢に心から笑ってる平井ちゃんは見たことがないよ。トークもはずんでたようだったしね。
聖之も弾けてたねぇ〜。日頃の仕事と家庭のうっぷんを見事に晴らしてる感じだったね。
そして女の子があと2人交代して、あっというまの一時間は終了。
まぁ〜こういう時間は特に早く過ぎるもんだね。
終わってから、平井ちゃん興奮してたなぁ〜。意味も無く
「ヤッタ!ヤッタ!」
とかさけんでたりして。
でもね、平井ちゃん・・・・・・・・・・新宿歌舞伎町はこんなモンじゃないよぉ〜。
もっっっっと濃密な、淫びな、あま〜い蜜が滴るようなスポットもあるらしいですよ〜。

散々遊んで腹の減った3人は帰り、松屋で牛丼を食って帰りましたトサ。
次の朝、ホテルの温泉も入ってネ、チェックアウトも12時と遅かったので本当にゆっくり出来ました。いやぁ〜いい旅だった!
もうシーズンオフになっちゃうけど、巴流のみんな、また是非遠征に行きましょう。
お疲れ様でした。
そして長々となったレポートを最後まで読んでくれた貴方! 有難うございました。


以上! カンちゃんでした。



(3位のジャンプ!)


(愛知池漕艇場の入り口)


(嬉しい銅メダル)



【平井のコメント】

いやぁ、寒かった。
寒くて死んじゃうかと思った。

この大会、10府県から137チームが集まったんだって。(競技種目は26部門)
大きな大会だったんだねぇ。

今回は、浜松ボートクラブと競り合えたのが嬉しかったですね。
大会後、浜松ボートクラブの方が、巴流の掲示板にコメントを書いてくださいました。
『うちの「若衆」(平均年齢21歳)と競り合っている33歳のみなさんの根性には脱帽です。』
ゲッ、彼ら平均年齢21歳だったの?
もしかして、僕らと同じ干支?
まいったなぁ。

人生の先輩として、彼らへアドバイスをしておこう。
 ・試合前に、酒飲みすぎるなよ
 ・試合中に、酒飲むなよ
 ・試合後に、酒で理性を失うなよ
あっ、これは巴流の努力目標か。

お泊り遠征ってのは、楽しいですねぇ。
前泊は、布団を横一列に並べて修学旅行気分。
後泊は、一転してネオン街。
やめられません。あはは。  



【望月(豊)のコメント】

3位入賞おめでとう。満足のいったレースみたいで何よりだね。

それにしても、極悪3人衆。やはり君達は夜の町に繰り出したか。
平井ちゃん、東京のリベンジできておめでとう。
カンちゃん、わかるよ、そのくやしい気持ち。金返せっ!って感じだね。
聖之、思いっきり家庭にばれてしまい、御愁傷様です。

あ〜、俺も行きたかった。なんてね。
実は俺も皆さんがあばれはっちゃくしている時、ハワイで楽しんでたんだなこれが。
ずばり、ストリップに行ってきました。1ドルチップを渡すたびにあんなポーズ、こんなポーズ、渡せば渡すほど過激になっていく。あー、もう止まんねー。チップいったい何枚渡したんだ?とにかくハワイは最高ーっ!

巴流も今度は海外遠征?



【望月(聖)のコメント】

いや〜、いい大会でした。
寒さに絶えながらの試合!
3位入賞は、立派なものです。

ところで夜の反省会ですが・・・
平井ちゃん、カンちゃんの極悪コンビ(?)に無理やり連れて行かれたネオン街では、右も左も解からず、ただただ2人に着いて行くだけでした。
しかし、2人のおかげで大人の世界を堪能(?)することが出来たし無事に宿泊先のホテルにも戻れたし・・・
(今回は、拉致されなかったし、ぼられなかったね)
実はこのメンバー、以前静岡での社会勉強に失敗しやさしい(?)お姉さんに良いように操られたのでした。
(決してぼられていませんよ。社会勉強の授業料ですから)

しかしねぇ〜やっぱネオン街のリーダーは、豊ですね!
1ドル札攻撃とは・・・さすがです。
よ〜し、今度社会勉強行くときには、みんなに内緒で1ドル札をたくさん持って行こお〜っと。
次回の授業は、いつかなー?




「浜松ボートクラブ佐鳴会」のHPに、当日の様子が紹介されています。
3枚目の写真に写っているブルーのユニフォームは、「巴流」です。 (予選)
また、最後から5・6枚目にも巴流が写っています。 (決勝)
巴流の名前まで書いていただいて、嬉しい限りです。

グリーンチャンピオンシップスレガッタのページ (巴流が写っています)
中日新聞の記事
浜松ボートクラブ佐鳴会のトップページ

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E-mail: 巴流 webmaster
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