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 第18回
 
天竜市民ボート大会

 2002.8.31
 天竜漕艇場


■試合結果 第2位

  ・予選 2着
  ・準決勝 2

  ・決勝 2着




■出場選手
  予選
  C:望月 聖之
  S:天野 至
  3:望月 豊
  2:平野 高史
  B:金子 進

  準決勝
  C:平野 高史
  S:天野 至

  3:望月 豊
  2:金子 進
  B:望月 聖之

  決勝
  C:平野 高史
  S:天野 至
  3:望月 豊
  2:金子 進
  B:望月 聖之


 

 


【天野の大会レポート】

どもども、至です。

今回は勝てる予感がしてたんだ。
前夜豊に電話したら「ウィーッ 二日酔いで頭いたーい」っていうし、聖之からは「みんなどうやっていくの? ユニフォーム集まったの?」
と、激励の電話は来るし、実際会場に行ってみたら金子も三日酔いだし、聖之は「先週徹夜ばっか」というし、俺が土曜日自転車の練習で80q走って筋肉痛と疲労で膝が笑ってるなんてことはどうでもよさそうだ。
ということで漕手は四人とも大会に備えて体調はばっちり、最高のコンディションで望むことができた。



(2日酔い、3日酔い、徹夜三昧。大丈夫か?)

この日のことを朝から振り返ってみよう。
六時おき、眠い目をこすって準備をする。クーラーボックスにジュースとビールを入れていたら嫁さんが冷たい目で見ている。
あわてて言い訳、「保冷材として入れてたんだ」「じゃあ保冷材入れなさいよ」、「そっか」あえなく撃沈、さい先がよい。

六時半前、豊と金子が車で迎えに来てくれる。
何だよ、何で六時十五分に静岡集合なのにこんな早く来れるんだよ。
あわてて準備をしてから文句を言う。「わざわざ悪いね」まあ、いつもの調子だ。

前日までと違い曇り空、雨の予報は70%と雨からは逃れられそうもない。
しかし、雨の中のレースも暑くなくて気持ちいい、ただ待機中が大変なだけだ。
そんなことを考えながら三人でレース展開のイメージについて話す。
「天竜レガッタに一度も練習しないで出るなんてさすがに今までで初めてじゃない」
「そーいえば至、いつから漕いでない?」
「うーん、去年の10月末のグリーンチャンピオンシップレガッタ以来かな」
「いつから整調やってないんだよ」
「・・・・二年近くやってないかな(小声で)」
中身の濃いミーティング、精神的にも安定してきた。

天竜市月にある天竜漕艇場に到着、最近はもう少し下流の伊砂(いすか)の艇庫へ行くことが多いのでひさしぶりだ。
特に俺はここ二年ほど趣味の自転車の大会が重なっており、そちらに出ていた。今年はそちらの抽選に漏れてしまったので仕方なく(クルーのみんな、文章はおもしろい方がいいでしょ)出ることにしたというのが実状。

艇庫の一階、自分たちが以前加入していた団体『清水あめんぼ』の艇がおいてある場所だ。以前からここでの大会の時はこの場所を占領する。今日も国体用の新艇がビニールも剥がさずに数十艇おいてあるのをうらやましそうに見ながら以前別の大会での戦利品である大型のビニールシートを広げる。保管料も払っていない分際で。




(国体用の新艇の大群。羨ましい。)

そのとき気がつく、平野が来ていない。
巴流きっての冷血COX平野が未だ到着していないのである。
あわてて携帯に電話、すぐに留守電だ、どうやら電源が切れているらしい、朝早くて申し訳ないと思いつつも自宅へ電話、あわてているために俺と金子が同時に電話、「出ない」当たり前だ。冷静になってもう一度、留守電だ。
うーん、ここまで用意周到だと計画的犯行だ。漕手四人で相談。優柔不断な漕手達、答えが出ない。
「棄権しようか」「焼き肉食べ行こうか」「いや、ジョイフルで50円ドリンクバーへ行こう」そうこうしているうちに平野到着、漕手四人棄権のチャンスを失いがっくり。
平井ちゃん達も到着して総勢10名。

九時スタートの予選D組に出場するべくユニフォームを着て集合場所へ、天竜レガッタはバウとCOXが背中にゼッケンを付ける。
「漕ぎたい病COX」の平野が予選を漕手として出たいと言う。誰かが代わりにCOXをやらなければならない。倍率は4倍と狭き門だ。先日こっそり貸した裏DVDが功を奏したらしく聖之がGET、背中にゼッケンを付ける。バウをやることになった金子が背中にゼッケンを付けているところに三番を漕ぐ豊が敵意むき出しにくってかかる「何で金子がCOXなんだよ!「俺もやりたかったのによー」オイオイ違うでしょ、うっかりものの新婚さん。







いざ出艇、ひさしぶりに乗る天竜のFRP艇だが乗り心地はよい。細かい調整も必要なしとお手軽だ。
超弩級無段階オートマチックピッチ変換という荒技を会得した俺を無謀にも整調に抜擢した巴流はスタート練習をするべく予定水域へ、まずはスタート三本「ヨーイ ロッ」「イーチッ、ニーイッ、ありがとー」全然合ってない。「おい、整調に合わせろよ」と言おうと振り向こうとしたら言葉の機関銃の一斉掃射に見回れた
「至短い!(ストロークが)」
「至早い!(ピッチが)」
「至合わない!(キャッチが)」主語を入れてくれ、主語を。



ブルーな気持ちで二回三回と練習を繰り返す。うん、まぁこんなもんでしょ、練習もしてないし、とみんな慰め合ってスタート地点へ。
おや、5艇中3艇が準決勝進出と聞いていたがスタート位置には自分たちも含めて4艇しかいない。1クルー棄権とのこと、ヤッター、ビリじゃなければ準決勝進出だ。急に元気になる、現金なものだ。

小声で言い合う。「3番手に付けたら手を抜こう」。
百戦錬磨の自分たちの考え出した秘技だ。
COXの聖之が緊張している。鼻がでかくなっているのがその証拠だ。

2週間後に迫った国体用かコースのブイがきれいだ。5メートル間隔で1q先までずっと並んでいる。小学生でもコース侵害しなくても済むだろう。


(手前4レーンが巴流。)

「ヨーイ ロッ!」緊張のスタート。巴流はスタートに弱い。後半スタミナを浪費しながら追いつくのがいつものパターンだ。
来年シニア(漕手の合計年齢140歳以上)へと突入する我々としては若い現役を退いたばかりのピチピチの面々を相手に、このような愚かな勝ち方をしている余裕はない。が、選択肢もなかった。


(緊張のスタート地点。「ヨーイ!」)

が、ところがどうだ、スタート3本目以降見る見る抜け出して行くではないか、なんと言うことだ、コンスタントに入る頃には順位は確定していた。
こりゃらくだ。一位のチームは先にやらして(余裕の表現)三位争いの過酷なデッドヒートを後目に余裕のライトパドルでゴール、それも俺の一度の「突発」と、50m手前をゴールと間違えて止まりかけてからの再スタートをしたにもかかわらずだ。



(一番左側が巴流。50m付近。


(一番左側が巴流。優位にレースを運んでいる。2Km先まで続くコースブイが美しい。

皆、満面の笑顔、予選突破できるかとの試合前の悲壮な表情とは別人のように悠々と戻る。
でも疲れた。それは緊張のあまりピッチを落とせなく、空中で休めなかったからだ、反省。




早速、予選の戦況解析と準決勝へ向けての作戦会議を開始、鬼COXは目をつぶってのイメージトレーニング、誰も寝ているとは気づいていない。
漕手四人はカードを使用しての会議、活発に意見が飛び交う
「おい、誰かたてよ」
「誰もたたないなら強制的にマイティー持ってるのがナポレオンね」
「えーっ 12じゃ立てないよ、10でやらせて」
専門用語を巧みに交えた打ち合わせ、だれもボートの話とは思わないだろう。


(円陣を組んでミーティング)


(左端のカードがマイティ。けっこう強いカードを持ってる。)

準決勝の組み合わせが出る。
結局一睡もせずに準決勝の予定時間が近づく。
去年の優勝チームと同じレースだ。今度は6艇中2艇が決勝進出。絶対1位はないからあと一枠を巡って5艇で争わなければならない。つぶやく「予選で一位か三位になっときゃよかった」皆同じ思いだろう。









そうこういううちに出艇。一番最初に艇を出すがスタート地点に着いたのは一番ビリ、しかもスタート4分前、俺のところのリガーのナットが緩んでいるのを治していたら遅くなってしまった。

緊張している余裕もない。
息を整えるまもなくスタート。決勝進出のかかった大事なレースなのに。
スタート二本目でオールが抜ける、しまった! 艇が傾く、かまわず漕ぎ続ける。
と、ところがどうだ、またしても集団から抜け出しているではないかぁ!
前評判の速いチームは行かせてしまい(余裕の表現)、三位のチームとも水が開いている。
よし、先ほどの失敗は繰り返さないぞと最終的にピッチを23.5まで落としてのゴール。


(100m付近。まだ1位とからんでる。)


(200m付近。手前が1位のクルー。まだ1艇身ほどの差。)


( 1位はゴール瞬間。巴流は余裕の2.5艇身差で2位。)

予選、準決通して強調漕ぎも、ラストスパートもかけないでの決勝進出。運を使い果たしたかな。
ちなみにうらやましがった他の二つの準決勝は3艇絡んでのデッドヒート、あぶないあぶない。おじさん方には願ってもない試合運びだ。




決勝に出れたから思い残すことはないと、早速COXを含む五人で冷たいコンクリートでケツを十分冷やしながらトランプに集中。
みな、会社へ行けばそれなりの立場におり、家に帰れば父親であり、夫であり人生の中でまさに脂ののりきった年代なのにトランプをやっている姿は17年前の高校生にタイムスリップしたかのように変わらない。
17年前、だれがこんなところでまだ同じように「マイティー」だ「裏ジャック」だとちまちまと遊ぶことになると想像しただろう。

準決勝のタイムが出そろう。
ははっ、決勝進出チーム中ダントツに遅いタイム。「ライトパドルだったんだから当たり前じゃ」、と思いながらもどこか寂しい、せめて1クルーくらい遅いチームがいてくれたらどんなに心安らかにいられたか・・・と自己中心的な気持ちになる。でも他のレースから勝ちあがってきたチームは消耗しているはずだから勝ち目はある。と、また自己中心的な解析を行う。




準決勝の時の晴れ間とはうって変わって上流から湖面を霧が降りてくる、隣の艇が見えなくなるんじゃないの、こりゃ中止だ、と何かにつけてあわよくばレースをしたくない後ろ向きな思考の面々はスタート地点へと向かう。

スタート5分前、スタート位置に着ける、5レーンだ。
周りのクルーが若い、全クルーが強く見える。来年はいなくなるから手加減してくれと言いたい。
スタート2分前、スタートの体勢に。
予選、準決と体力を温存できた分、パワーは他のクルーよりあるはずだ。自分たちの力と経験を信じて漕ぎまくるしかない。(この時点で一度も練習していないことは完全に忘却されている)



「ヨーイ ロッ!」
「イーチッ ニーイッ サーンッ・・・」
またしても二本目でオールが宙を切る。
くそっ、減速だ、決勝でこんなことしてたら致命的だ。他の仲間に申し訳ないと思いながら気を取り直して漕ぎ続ける。
5本、10本、10本、コンスタント。
チョット余裕ができて顔を上げることができた。
アレ、俺の視界に4クルーいる。ってことは2位? まじかい? 
あんなにスタート失敗して。



しかしまだ安心してはいけない、去年のグリーンチャンピオンシップレガッタでもデッドヒートの末、力つきて若いクルーに先を譲ってしまったではないか、スタミナのない俺達はまだまだ油断したらあかん。
350m付近で強調が入る、10本、蹴れる。まだまだいける。ピッチも安定してる。
右隣のクルーが1艇身差位でついてきている、皆髪の毛の色を染めて若そうだ。
こちらの強調のあとスパートをかけている。COXの檄が飛んでいる。伸びてこない、
よし、いける、平野より残り100mの声、平野に苦しい息の中ささやく、
「ラストスパートかけよう」


(300m付近)


(500m付近。1位のクルーはぶっちぎり。さすが若い。巴流は、2位。)

すぐに平野がスパートの指示を出さない(あとで聞いたが100mと言った時、実は150m位のところにいた、ゴール前で失速してしまうと思い躊躇したとのこと)
こちらはまだ蹴れるのに気が気ではない、
「ラストスパートいこー さーいこー!」「ソーッ!」
よしっ、蹴るぞっ。力の限り蹴る。(チョット大げさだが)
遠くで先頭を漕いでいるクルーが600mのゴール地点を通過したブザーが聞こえる。
もう少しだ、フェザーが返らない、空中にメリハリがない、そんなこたぁどうでもいい、とにかく蹴る。
「ブッ」レースの終わりはこのコケテッシュな音で幕を閉じる。


(ラストスパート!!)


(ゴール!2位確定!)

「やったーーっ!」歓喜、優勝したわけでもないのにうれしい。
過去この大会には何度もお世話になったが2度目の2位、最高順位だ。
へろへろになって戻る。体はがくがくだが気分はすごく良い、幸運だったが若い強敵のひしめく中、予選、準決、決勝を漕ぎ抜き、しかも堂々の準優勝。
まだまだ俺達も捨てたもんじゃないぜ。




(全力を出し切った巴流。脚がくがく。カラダへとへと。)


(見よ、この笑顔。2位!)

表彰式こそ無かったが賞状二枚、トロフィー二本をGET。いい気分の中、お決まりの写真撮影も笑顔で、でもジャンプの高さが出ない。足腰までが笑っている
写真撮影が終わって艇庫に戻ると大粒の雨が降り出す。天気まで俺達に味方してくれていたかのような錯覚を受ける。

気持ちよく解散、運転手の豊には悪いが金子と二人でコンビニでビールを購入。
しかも500cc、いい気分だ、酔いも手伝っておもしろい話が出てくる。
でも俺は決して言わないよ
豊がベットでお好み焼き焼いたり居間の柱に立ち小便したことや、金子が名古屋で奥さんに言えない店をハシゴしたことなんて・・・
言うわけないじゃないか。

次のレースへ向けての教訓
" マイティーは 何でたっても スペードのエース "
チャンチャン




(2位のジャンプ!)


(左前から、望月(豊)、金子、望月(聖)。左後ろから、天野、平野。)

(文章:天野)


【望月(聖)のコメント】

「おい〜、誰かたてよ〜」「誰だよマイティー持ってるの」 「え〜もう一回配るのかよ〜めんどくせー」と、 今回もナポレオン大会になってしまった、巴流。
まさか2位とはねー。驚きじゃん!!
そういえば、諏訪湖の大会では惨敗したけど、 もしかしてナポレオンをやらなかったのが原因?

ところでさー、毎回恒例の”ジャンプ”している写真、 今回の写真を見て何か思わない・・・?
”至くん”、”豊くん”かなりのジャンプ力だねー。
これってさー、レース中、蹴ってないんじゃないの?
だめだよ手を抜いちゃー。



【平野のコメント】

準優勝おめでとう!みんなよくがんばったと思うよー。

COXとしては...今回のレース、ほんとーに楽しかったです。
1レース目は、漕がせてもらったし、決勝ではスタートから しっかり前に出てレースできたしね。気持ちよかったよ!
これだからボートはやめられない。

それにしても聖之は一番体力があるはず(1レース目漕いで無いから) なのに、ショートコメントの為にわざとジャンプの手をぬくとは...
恐るべし
!!
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