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 第3回 グリーンチャンピオンシップスレガッタ 

 2003.10.26
 愛知池漕艇場


■試合結果 第4位

  ・予選 2着
  ・準決勝 2着
  ・決勝 4着


■140歳未満男子の部
  (ナックルフォア)

■出場選手
  予選
  C:金子 進
  S:天野 至
  3:望月 豊
  2:澤野 元昭
  B:望月 聖之

  準決勝
  C:澤野 元昭
  S:天野 至
  3:望月 豊
  2:金子 進
  B:望月 聖之

  決勝
  C:澤野 元昭
  S:天野 至
  3:望月 豊
  2:金子 進
  B:望月 聖之


 

 


【澤野の大会レポート】


午前3時、携帯電話にセットしておいたアラーム音を聞いて、ベッドから起き上がる。目が覚めたわけじゃない。ただ、起き上がっただけ。寝過ごすのが嫌で、結局、寝ずじまいになった。

のんびり支度をして、車に乗り込む。
とりあえず目指すは、新婚さん豊のスウィートホーム。
前日、携帯を持っていなかった(自宅に置き忘れた)私と連絡がつかず、待ちあわせ時間などを決めたのは23時過ぎ。それまで眠れなかったというが、ということは豊かも寝不足か。他の連中はどうなんだろ。

ほぼ、約束の時間どおりに、豊の家へ到着。
今度は豊の道案内で、金子の家を目指す。
豊「え〜とね、平和町の通りを真っ直ぐ行って、“スーパーもちづき”を過ぎた辺りのダイドーの自販機のある角を左に曲がるの。」
いくつあると思うんだ。この静岡で、ダイドーの自販機が。

豊「あっ、小学校の手前の角だよ。」
私「あ、通り過ぎた。」
方向転換して角を曲がる。
金子との合流も、何とか時間どおり成功。
う〜ん、順調、順調。
この勢いで、レースも絶好調と行きたいが、そんな高望みはとりあえずそこに置いといて、一刻も早く至の家に着けるようクルマを飛ばす。とっととクルマを乗り換えて、とにかく寝たい。

藤枝市内の至宅にも、まだ暗いうちに辿り着く。
荷物を積み替えて、2列目シートに乗り込む。後は浜松で聖之と合流して、愛知池へ。
至、運転よろしく。

乗り換えてからは、ほとんど寝て過ごす。
特に浜松で聖之と合流してからは、愛知池に着くまで記憶が全くない。
切れ切れに覚えているのが、他の4人は先週の練習で、1分56秒という好記録をマークしたとのこと。
おぉ、知らないうちに必勝ムードが車中を漂い始めているじゃありませんか。
と、思いきや、全員前の日は仕事とその残業で、かなり帰宅は遅かった様子。聖之にいたっては、ついさっきまで飲み会だったとか。
少なくとも、コンディションを気にして、特別に何かしていたものは皆無ということらしい。
勝利への予感と、負けたときの言い訳を同時に胸に秘め、クルマは愛知池を目指す。…にしても、広くなったなぁ、至。お前のオ・デ・コ。

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7時少し過ぎと思うが、愛知池に到着。
コンビニで食料を買い、会場入りする。









割り当てられた催事用テントに荷物をおき、しばらくは皆と話す。
レースの順番と時間を確認すると、ポジションの話しになった。
「…って、準決勝以降は俺がコックス〜?本気かおい。無理、無理」と言って、逃げようとするが、「ダメ、準決勝からは試合も厳しくなるんだから。」
どういう意味だ、オイ。
「なんてったって、1分56秒出したんだから。」
クルマの中で聞いたのは、夢じゃなかったの。
どうやら、アドレナリンが大量に噴き出しているらしい。
何か言っても、皆の気持ちに水を差すようなので抵抗をあきらめる。今は亡きデカ佐藤の気持ちがわかったような気がする。


(左から、望月(聖)、天野、澤野、望月(豊)、金子 。今回は、正コックス無しの漕手のみでのチャレンジ。)

程よく時間もたったので、ウォーミングアップに取り掛かる。準備体操にジョギング、柔軟体操と、ありきたりのメニューだが、これがキツイ。
走り始めると、一歩ごとに腹が揺れる。乳も揺れる。足がこわばり、呼吸も一定にすることも出来ない。かなり気持ち、ブルーになる。
30過ぎてから、運動をおっくうがるのは、体がしんどいからじゃない。失ったモノ(若さ)のすばらしさを思い知るのが怖いからだと思うのは、考えすぎでしょうか?



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そして、とうとう出番が来た。ボートを漕ぎ出し、スタート地点までコンスタントローにパドルローを少々、あとスタートダッシュを練習する。
作戦としては、とにかくスタートを大事に決めるということ。上位に入って2位以上になれば、後はリードを保ちつつ、体力の温存をはかるという、中年向けの内容。要は、トラブル無しでいこうということか。
コックスは金子、整調は至、3番豊に2番が私、聖之がバウという超豪華クルー。




逆光でブイが見づらいと金子が泣き言ってます。
オールが食い込むと至がこぼしています。
レールがどうもしっくりこないと、豊だったか聖之だったかがぼやいています。
もういいわ、ガンガン行ったれと私も開き直り、居直ったところでスタート。
最先良く、1、2位争いの位置につく。至のオールに合わせながらガシガシと蹴りを入れていると
「蹴るなー、蹴るなー」と至の叫び声。
体力温存モードかと思いきや、
「オールが喰い込む〜〜。」
そういや、ストローク側に傾いているような。

とはいえ、3位との差もある程度は広げながら、2位は確保。突発とレールはずしに気をつけて、コンスタントに漕ぐ。

キャッチ時のオールを水に滑り込ませるような感覚。がっちりと水を掴んだオールの周りで渦を巻く水の音。フィニッシュの瞬間、返すオールにはじかれて宙に舞う水滴のきらめき。
やっぱ、ボートいいわ。

めでたく予選を2位でゴール。

予選のビデオ(画面手前2つ目の艇が巴流)

 ・ビデオ1(低解像度)…アナログ回線、ISDN用

 ・ビデオ2(高解像度) …ADSL、CATV用

Windows Media Playerが必要です。ダウンロード

いや〜、良かった、良かった。次も、その次もこの調子でといきたいが、やっぱり本当に次は私がコックスらしい。
「なぁ〜、次も漕がしてくれよぉ〜。コックスなんて無理だよぉ〜。漕手の方がいいよぉ〜。」
(ただし、ポジションは2番限定、理由はホームページのメンバー紹介を見るように。)
「一生懸命、蹴るからさぁ〜」
と、いろいろ泣き言を並べるが、効果ナシ。
仕方無しに予防線として、先に謝っておこうとしたら
「ダメ。」
どうなっても知らん、と開き直ろうとしたら、これも「ダメ」と言われる。
あのぉ〜皆さん、本当に私にどうしろと言うんでしょうか。



準決勝までの間に、これだけのドラマを演じ、平井ちゃんにレース速報をメールで送り、昼食をすまし、昼寝する。ポカポカ陽気で気持ち良い。ずっと寝てたいが、いずれはやってくる試練の時が。


(準決勝、決勝のコックスに不安な澤野(右端))

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レース出場のため、桟橋に向かう。



ボートに乗り込みコックス席に座る。舵ひもを引いて、舵の向きとの位置関係を確認する。
ボートが桟橋から押し出され、ポツンと浮かぶ巴流クルー。
コックスからの号令を待ちながら、息を整える。って、違う。
今は、私がコックスだった。
緊張とうろ覚えの記憶のため、かけ声もままならない。
スタート地点までの練習も、漕手のためというより、コックスの声出し練習と化す。

スタート地点にボートを着け、方向を微調整する。日の向きが変わったせいで、ブイがはっきりと見て取れるのが、せめてもの救いといったところ。審判艇からの合図で、全クルーがスタート体勢に…。

そして号令とともに、全艇がいっせいに飛び出す。
スタートダッシュは、たしか、5本−10本−10本。
メリとハリの効いた声で、漕手達に指示をとばす…。
はずが、緊張しすぎて声は裏返り、ピッチダウンの号令はとちる。
致命傷なのは、キャッチの号令が漕手のキャッチと合わないこと。
…って、これ逆だろ、普通。

試合中にもかかわらず、クルー達からブーイングの嵐。
「ピッチ早い!早過ぎる!」
「スタートダッシュと変わっていない!」
「声がでかい!耳がガンガンする!」
「もう黙っていろ!」
ウケ狙いのフィクションではありません。お前らそこまで言うか。

結局、ピッチコントロールも、強調漕ぎのタイミングも漕手まかせの試合となり、2位でフィニッシュ。決勝進出決定。またやるの?これを。

陸にあがり、テントに戻って一服する。順決勝レースについては多くを語らない。というより語りたくない。
決勝レースの作戦は漕手達にまかせて、私は平井ちゃんへレース速報のメール打ち。

途中、決勝レースのレーンを決める抽選がある。
携帯片手に抽選会場に向かうが、着いた時には終わっていた。
不在抽選で我が巴流クルーは、第1レーン決定。
これでレーン侵害で失格になる確率は、50%になった。
とにかく、レース中は舵を真っ直ぐに保って、あとは漕手まかせ。あのメンバーなら、何とかなるだろう。




(コックスが不安な澤野(右端))

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あまり待たずに出番となる。
レース前の受付を済まして桟橋へ。
どうせ、これで今日は最後だ。さっさと済ましちまおうなんて開き直りも、ボートに乗った途端に、湧き上がる緊張感に飛ばされる。
上ずった声で指示を出してスタート地点へ。
横風がこれまでより強い。
漕手達の協力でボートを真っ直ぐに保つ。


(ライブカメラの映像。パソコンから画面ショットしたもの。第1レーン(右端)が巴流)

審判艇から「スタート用意!・・・ヨーイ・・・」の号令が…。
で、ここで何と、この後に続く「ロー!!」の号令を、自分で叫びそうになる。舌の付け根まででかかった声を、何とかこらえる。
究極のフライング・スタートの危機を迎え、頭ン中は真っ白。
その時、本物の号令がかかる。

スタートダッシュの衝撃で、コックス席の低い背もたれに腰がぶつかる。舵を取りロープがゆるんだのか、変な方向に突っ張ったかして、ボートは右斜め前方に約20度の角度をとる。第2レーンへの侵害、即失格への直線コースを修正しようと、あわてて右手を引く。
「わぁ!」
20度が30度になる。
左手を引いて、30度分を戻そうとするが、5度分大きすぎた。
「ひぃ〜〜〜〜〜〜〜〜」
心の中で悲鳴があがる。

スタートダッシュのかけ声なぞ、始めっからとちりっぱなし。
ピッチダウンの号令は、2番の金子。ピッチコントロールは、整調の至。他チームの観察と強調漕ぎのタイミングはバウ側の聖之と豊にまかして、舵の修正に専念する。
なんとか真っ直ぐにしたいが、うまくいかない。
右へ左へふらつきっぱなしのまま、200m地点通過。
黙ったまま、というのも辛いので「ファイトォ〜」なんぞ、声を張り上げる。
ほんの少々緊張がほぐれたような気がしたので、調子こいて何回も大声を張り上げる。
すると、今度は視界の横を何か別の色のブイが通り過ぎていく。それがラストスパートの目印だったはずの300m地点のブイと気づいたときは、もう350mのブイが目の前に…。
「あっ」
本当に声がでたよ。至に聞かれたかどうかはともかく…。


(画面奥が巴流。4位。)

あわてて、ラストスパートの指示を出す。
当然、号令は漕手がどんどん出してくる。
ラスト100m。早く終わってくれとばかりに
「ラスト10本ぉ〜〜ん」の声をあげる。
カウントしながら、本当に10本でゴールに届くか不安になるが、何とか10本目のキャッチでゴールライン通過。
やっと終わった…。


(ゴール付近)

決勝のビデオ(画面奥1レーンが巴流)

 ・ビデオ1(低解像度)…アナログ回線、ISDN用

 ・ビデオ2(高解像度) …ADSL、CATV用
 

Windows Media Playerが必要です。ダウンロード

「2度とやらねえぞ、コックスなんて。」というより、やらしてくれないだろう、きっと。

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結果は4位入賞。
正コックス不在の上、80kgのウェイト付のこんなヘタレコックスというハンディがあった割にはたいしたものだと思う。
失格にならずに済んだだけでもたいしたもんだろ、俺のコックスも。

この後は表彰式に出て、後片付けをすまし、会場を後にする。




(4位の賞状をもらう澤野)

帰りの道中、レースの反省会なぞ耳が痛いので、とっとと居眠りモードに入る。
途中、夕食のためパーキングエリアのレストランに寄るが、ここでの話題は、私の結婚の可能性について。耳を通り越して、心が痛い。
「ねぇ、皆、早く帰ろう。」

聖之、至、金子、豊と行きとは逆のルートで帰宅したのは、21時半ごろ。

次の試合は、もっとのんびり、お気楽モードでいきたいと思ったグリーンレガッタでした。


(さて、巴流の5人はどこにいるのでしょう?)


(自宅にいながらリアルタイム映像を見ることができるシステム)


(左から、金子、望月(豊)、澤野、望月(聖)、天野)

(文章:澤野 元昭)



【天野のコメント】

準決勝、スターターから「ロー!!」の合図があって漕ぎだしたけど
「ん?、なんかコックス合ってないぞ」と、
思って顔を上げたら沢野目をつぶってるんだもん、
驚きのあまりとっさに声が出なかったよ。

沢野にとっては交通事故の瞬間のような衝撃だったのかな?
それとも  現実逃避?

どちらにせよ俺のおでこは中学から広がってないぞ!髪に元気はなくなったけど。

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