第16回 横浜市民体育大会 2012.7.22 鶴見川漕艇場
■試合結果 ■距離
第2位 350m
【秋山の大会レポート】 <反省文> 私、秋山は今回のレースにおいて自身の体力への不安から、整調というペースを作るポジションでありながらレース中に勝手にピッチを落としてしまいました。 結果、0.5秒、2〜3m差という僅差で優勝を逃すという失態を犯してしまいました。 ここに巴流のメンバー、および巴流を応援してくれているサポーター、そして高校卒業以来の一緒にボートを漕いでくれた武内さん、大川さん、両先輩に対して心よりお詫びを申し上げます。 今回の失態を胸に刻み、次のレースでは最後まで全力を尽くせるよう日々筋体に励むことをお約束致します。 と、こんな反省文を書くに至ったいきさつをお話せねばなるまい。 7月22日 日曜日 私の地元である横浜で開催されたボートレース。 ■5:20 起床。 今日は「横浜市民体育大会」だ。 昨年は一度もボート漕がなかったので、2年ぶりのボートでありレースでもある。 楽しみ半分、不安も半分だ。 前回参加したこのレースに参加したのは・・・ あれは2003年のこと。 この大会は俺自身、高校卒業以来初めて参加したレースでもあった。 復帰戦優勝・・・(詳細は大会レポート参照) そんなことを考えながらも出発の準備をする。 チビ達も、久々のボートの大会に興奮気味! 「お前ら、漕がないのに何はしゃいでいるんだ?」 ■6:10 愛車にキーを差し込みエンジン始動。 「最高の吹きあがり・・・今日も満足。」 ナビに目的地をセットして、出発。 いつもは一番会場まで遠いが、今日は一番近い。 やっぱ地元開催はいいね。 ■7:00過ぎ 会場にくるも、前回車を止めることができた場所は関係車両以外は入れない。 急遽、会場近辺の駐車場を探して7:30ころやっと会場入り。 ちょうど、会場でも艇庫からボートを出しているところだ。 荷物を置いてお手伝い。 ■8:00 静岡組も到着。 会場を歩いていると、何か懐かしい気配を感じる・・・ 向こうも感じるものがあったのか・・・ 「武内さん?」 「秋山?」 20・・・うん年ぶりの再開。 高校のころスリムだった武内さんも、やや丸みを帯びたような体型に。 『武内さんもオッサンになったな〜』と心の声で呟く。 失礼な後輩であるが、先輩も同じことを感じていると勝手に自己完結。 しばらくして、大川さんも懐かしさを纏って到着。 (左が武内さん。右が大川さん。) ここで、「武内さん」・・・この方については少し語っておこう。 武内さん、この先輩は俺の師である。 この先輩は現役当時、もっとも華麗なフォームをもっていた男。 南斗水鳥拳のレイといったところだろうか? ちょうど2年生のとき(先輩3年生)、初めてシェル艇が導入され、初代シェルクルーのメンバーとしてその奥義の伝承に励んだ。 この先輩、キャッチのチョー微妙な遅れや、チョー微妙な蹴りの甘さも見逃さない。 正直、うるさいと思ったことも多々あったが、おかげで俺もフォームに関しては自信を持つに至ったことも事実である。 ただ、この先輩のストイックなところは半端なく、合宿の時に寝言で『秋山やれ!』と大きく叫んだことを今でも忘れられない。 「一体、何をやらせようとしていたんだろうか?」 夢の中でも練習している奇特な人。 それとも、ボートに飛び込んだボラ(魚)を外に出せとでも言っていたのだろうか? 俺の心に忘れられない一言を刻み込んだ男。 良くも悪くも俺の師である。 昔話が長くなってしまったが、当日に戻ろう。 早速受付を済ませ、今日の参加クルーを確認する。 カテゴリーが多いが、巴流はナックルフォア40〜49のクラス、参加クルーは6クルー。 今日は、350m×2本のタイムレースだ。 開会式も終了し、順次レースが始まる。 ナックル、クォド、エイト・・・ 流石にエイトはボート競技最速、間近で見ると迫力満点。 そろそろ巴流のレースが近づいてきたので、ランニングや体操で軽くウォームアップを済ませる。 巴流の乗る艇が桟橋に着き、乗りこむ。 2年ぶりに握ったオールの感触、僅かばかりの緊張感が懐かしくそして心地よい。 1レース目は平野、金子、武内さん、大川さん、そして秋山。 (左から、平野、秋山、武内、金子、大川) そういえば、大川さんと一緒にボートを漕ぐのは初めてかもしれない。 少なくともレースは初めてである。 大川さん・・・同じクルーになったことがないので特別なエピソードは知らない。 しかしながら、久しぶりに会った大川さんはチョット老けたものの現役当時と変わらない感じだ。 大川さんのニックネ〜ム・・・確か半魚人?・・・(違ってたらごめんなさい。) ロンドン五輪開催中に、ドーバー海峡で見かけられた未確認生物は先輩だったのだろうか? 巴川からロンドンまで泳ぐのにどれだけの時間がかかったのだろうか? 大川先輩、お疲れさまでした。 さて、また話がそれてしまったのでもとに戻ろう。 ボートに乗り込んでもあまり練習はできない。 軽くパドルとスタートの練習をしたら、もうスタートだ。 橋から垂れ下がっているロープをコックスが掴む。 … が、川の流れが早くかなり辛そうだ。 スタート地点に3艇が並ぶ、「アテンション」の声、続いて「ROW!」 「い〜ち、に〜い、さ〜ん・・・」 スタートダッシュで巴流がトップ。 (スタートダッシュ!) ストローク毎に少しずつでは確実に巴流のリードが広がる。 いつもならここで少し流すが、今回はタイムレースのため全力。 巴流、水をあけて独走態勢。でも全力。 はっきり言っても、言わなくても辛くなってきた。でも全力。 両腿、そして腕の筋肉に乳酸が生成され、痛みを伴い始める。でも全力。 コンスタントのない350mは、ある意味いつもの500mよりも辛い。でも全力。 もう他の2艇はかなり遠くに見える。でも全力。 「まだ? まだ?? まだ???」 川岸から他人のレースを見ているとすぐ終わるのに、自分のレースは長く感じられる。 やっと、ラスト10本の声。 そして、ゴ〜〜〜ル! 呼吸が苦しい、脈拍は200を超えているだろうか? 1:07.45、トップと約2秒差の全体2位で1レース目が終了。 2レース目まで休息時間。 とりあえず、お昼ご飯。 先輩たち二人も久々のレースだったこともありお疲れのようだ。 しばしお休み。 「おまえら、よく食えるなぁ。」「秋山、唐揚げ弁当かよっ!気持ち悪くねぇの?」 そして俺たちはいつものナポレオン。 体と心をリフレッシュ。 (動画を見ながら、25年ぶりの漕ぎをチェック) (バッタ捕りに夢中) (バッタがいっぱい!) (食べて、ナポレオンやって、寝る。) (巴流のお財布の中に、古い1,000円札が何枚も入ってた。) 大川さんは都合により先に帰るとのこと。 2レース目は平野、金子、武内さん、豊、そして秋山。 他のレースを見ながら、2レース目の配艇を待つ。 (左から、武内、平野、秋山、金子、豊) そろそろ巴流の艇が桟橋に着くので、乗艇の準備。 2レース目も少しだけスタートの練習をしてスタート位置に着く。 川の流れが緩やかになり、ロープを掴んでるコックス平野も先ほどより楽チンだ。 ということは俺たち漕手はさっきよりも大変ということ。 心に一抹の不安。 などと考えていたわけではないが、3艇が並びスタートを待つ。 「アテンション・・・ROW!」 「い〜ち、に〜い、さ〜ん・・・」 2レース目のスタート。 スタートダッシュで、またも巴流がトップ。 スタートは5本、10本、10本。 既にこの時点で、巴流独走態勢に入る。 ピッチダウンして、僅かばかりのコンスタントに入る。 ここで、意識はしていなかったが、少しピッチを落としてしまったようだ。 ラストスパートに備え、体力の回復をしたいと思ったらしい。 ピッチダウン直後のさらなるピッチダウンのため、キャッチのタイミングがずれる。 コックス平野からのピッチアップの指示で立て直すも、痛恨のタイムロス。 ロス挽回のため蹴りまくる。 繰り返すが350mは、コンスタントがない。 腿が、腕が乳酸を生成し漕手達の表情も苦痛に歪んでいる。 ラスト10本の声。 心身共に既に「根気」も「根性」も使い果たした状態だ。 限界状態の俺たちに残されたもの、それは『昆虫』! 意味はわからない。 しかしながら、高校時代、今同じ艇で漕いでいる武内さん、大川さん、先輩達より受け継いだ「3つのこん」。 「根気、根性、昆虫」 未だに意味はわからない。が、語呂がいい。 先輩たちの思い出と共にゴ〜ル。 (みんなでお片付け) 桟橋に戻り、気になるタイムを確認する。 1:16.83、全体トップのタイムだ。 「逆転優勝か?」と期待に胸を膨らませるが、残念ながらトータル2:24.28で全体2位。 トップが2:23.76、僅か0.5秒差。 改めてピッチダウンの失敗によるタイムロスが悔やまれる。 ってな訳で冒頭の反省文を書くことになったのだ。 表彰式、各カテゴリー優勝クルーの表彰。 巴流に0.5秒差で勝ったクルーたちは、とても嬉しそうだ。 カテゴリーが多いため優勝クルー以外の表彰はなかったが、賞状は頂けた。 (閉会式をやりながら、その横でもう飲み会の準備) 今回のレース、優勝はできなかったが、懐かしい先輩たちとの再開、一緒にレースに出ることができ いつものレースとは違った感慨があった。 大川さんは用事があったが、2レース目の終了でお帰り。 静岡組も表彰式のあと懇親会があったが、帰りが遅くなるのでこれで解散。 今回は、先輩たちと一緒に漕ぐことができてよかった。 そしていつか高校時代のように、決勝レースで先輩たちと競い合うことができたらいいですね。 みなさんお疲れさまでした。
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